台風19号による長野県:サン・ファーム(リンゴの生産者さん)の被害状況(第1報)をお伝えします。

更新日:2019/10/18

共同購入“ぐるーぷ・みるめ”の時代から、おおよそ20年以上、
毎年、林檎を分けていただいてきたサン・ファームの生産者さんは、長野県在住です。

2011年3月11日の福島原発事故以来、
林檎は、放射能を体外に排出する効力を持つ(成分のペクチン)ことから、
県内各地の繋がりのある方たちにも、サン・ファームを紹介し、
毎年10月~翌2月まで、たくさんの林檎をいただいてきました。

サンファームのりんご

サンファームのりんご

そのサン・ファームを紹介くださったのは、
サン・ファームと安全な生産物を育ている活動をしていらっしゃるビオ・ゲミューズの会の代表、
村岡亘さんより、被災状況第1報が届きましたので、ご報告します。

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 サン・ファーム農家グループに甚大被害 

【報告1 2019、10、15 FAXにて:ビオ・ゲミューズの会 代表 村岡亘さんより

一昨日の台風19号は東日本全域に未曾有の大雨をもたらし、
埼玉・東京の各河川の堤防決壊や氾濫だけでなく、各県の大河川の決壊や氾濫で
それぞれの地域一体に大被害が発生しています。

その中で、長野市穂保で千曲川の堤防が決壊し、付近一帯の民家は軒並み1階部分が水につかる
大被害となっています。
NHKの報道で度々画面に映っていた場所は長野市穂保で関さん他何人かの農家が住んでおられるところです。サン・ファームの窓口農家の関さんや代表の堀口さん、山口さん農家も1階は水につかり、
1週間以上は家に戻れない事態とのことです。仲間の他の農家と連絡も取れない状態で、
避難所や親せきの家に避難しているとのことです。関さんも娘さんの家に避難しているとのことです。

千曲川河川敷内のりんごは壊滅かもしれないし、堤内の主力のりんご畑は水に浸かっている状態で
どうなるかわからないとのことです。
保存倉庫も水に浸かり、収穫を終えて倉庫にある千秋・秋映・紅玉りんご・ジュースやジャムなども水に浸かっているものと思われます。

サン・ファームすざかの農家は今春仲間になられた農家が小河川のわきにあり、
その堤防決壊で水浸しになる被害が出ているようですが、近づけなくて被害の状況はつかめていないと、
代表の境さんの話です。
他の3農家は水害には合わなかったとのことでりんごの落果は少ないが、枝ずれ果は相当出ているものではないかとのことです。

以上のような状況で今後のりんごの出荷の見通しが立たないとのことです。
特に長野市地域のサン・ファーム農家の方は全く見通しが立ちません。
今後収穫期を迎える王林・シナノゴールドもどれくらい収穫できるかですが、その前に1階が水没、
農家によっては2階も浸水しているようなので、住めるようにするために相当な日数がかかると考えられます。出費も莫大になると予想されますし、保存倉庫の整理・処分・保冷機の修理や新設にも多くの費用と
日数を要すると思われます。

2019年10月15日

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【報告2 2019、10、16 朝、馬場⇒村岡さん 電話での確認】

 

【プラムフィールド:馬場よりビオ・ゲミューズの会 村岡さんに電話にて】

村岡さんも関さん(長野市)と今朝、電話がつながったとのことで詳細を伺うことが出来たそうです。

長野市の生産者さん

①収穫したリンゴは、生協を中心に発送した後だったので、浸水被害はなく、良かった。

②長野の生産者さんは全員、自宅が浸水して、避難していた。
昨日(15日)、自宅に帰って、2階は無事だったが、ジャムやジュースを保管している倉庫が水に浸かり、全部、出荷できない状態になっている。

全量廃棄しかない。

③ラベル貼りの機械も浸水していて、直ぐに加工できるかどうかは分からない。

④秋ばえは、どれだけ出せるか分からないが、ジョナゴールドや王リンは通常の7~8割は収穫できると思う。

須坂地区の生産者は、無事。

⑤おーぷん・みるめのリンゴは、すでに収穫してあるが、ヤマトの配送も道路事情で遅延もあるので、
直送分も含めて、早めに出荷し、火曜日(10月22日)に間に合うように出して下さるそうです。
ジュースやジャムについて、
「ラベルが汚れているくらいなら、こちらで了解してもらって分かることも可能ですが・・」とお話しすると、

「私たちもそう考えたが、生産者さんは「JAがとも足並みを揃えないといけないから」と、
万一の事を考えて、出荷は難しいと思う」という事でした。

・・・・・・・・ですので、JAの基準はどうなっているのか・・・・・・

JAとぴあ浜松に勤めている測定室の会員さんに電話をして、浸水した瓶・缶製品の取り扱いにJAのガイドラインはあるのか、教えてほしいと聞きました。

♦ガイドラインは特にないと思うがと前置きをして、

「ジャムやリンゴジュースに加工してあるものは、キャップの形状で水が入りやすいものや、
スクリューキャップはカビも出やすいから、万一、消費者の手元で保管状態が悪いと、
カビが発生すれば、出荷した生産者の責任になる。
水害にあった瓶・缶は、O157や大腸菌の心配があり、洗っても安全とは言えない。
内輪で分けるなら、まだ、生の果物の方が取り扱いは簡単」という事でした。

家にあるリンゴジュースを見てみたらスクリューキャップでした!

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収穫したリンゴは、出荷された後だと分かり、良かったです。
「ジャムやジュースは、来年買ってください」と関さんが言われていたそうです。

浸水したジュースやジャムの支援購入は、見合わせざるえないと思いました。

■今後の生産者さんへの支援について、

ビオ・ゲミューズの会 村岡さんとの電話で、
「ビオ・ゲミューズの会で話し合うので、少し、待ってもらえますか?ばらばらに連絡を取っても、
今は見通しも経っていない時なので、急いで支援するより確実な方法を考えますから・・」
とのことでした。

引き続き、私たちにできる事を考えていきますので、ご協力をお願いします。

10月16日
馬場利子記